「遠野の暮坪地区とは」
暮坪かぶが栽培されている暮坪地区は、岩手県遠野市の南東に位置し、上郷町佐比内暮坪という集落にあります。その地区に住むたった 1 戸の農家が暮坪かぶを代々育て上げてきました。暮坪かぶの種は市販されているので他の土地でも栽培する事が可能ですが、暮坪地区の土でないと「あの独特の辛味は出ない」と言われており、名称も「暮坪かぶ」ではなく「遠野かぶ」と呼ばれます。元々は暮坪地区だけの伝統野菜でしたが、暮坪そばが評価されてから一気に全国へ知られる事となりました。
「究極の薬味と云われる暮坪かぶ」
遠野暮坪原産の「究極の薬味」といわれる暮坪かぶ。天正年間に近江の薬売り・近江弥右衛門が持ち込んだと伝えられ、以来約400年間、遠野市上郷暮坪地域の限られた地区だけで栽培されてきました。京都の「聖護院かぶ」、滋賀の「近江かぶ」などと同系統の「和種系かぶ」ですが、特に珍しいのは、丸いかぶではなく長根の白かぶで、長さは約20cm、太いところは直径約4cmほど、地上に露出した部分は淡い緑色をしています。一見、小さな青首大根のように見えなくもありません。
原種に近いかぶで、病害虫に対する品種改良が行われている品種ではありませんので注意深く育てているため収量も少なく、それだけ貴重なかぶと言えます。生産及び販売の時期はおおよそ7月~3月。春秋の年2回の作付で、例えば秋作の場合には収穫後、保存して3月頃まで販売できますが、繁忙期のゴールデンウィークの頃までには在庫が尽きる事もあります。本来、季節のある作物ですのでご理解いただければと思います。
「独特の辛味と風味が特徴です」
地元では昔から漬物として食べられてきましたが、近年、蕎麦や刺身・焼肉などの薬味として利用され、唐辛子やワサビとは趣の異なった「究極の薬味」として喜ばれています。グルメマンガ「美味しんぼ」に取りあげられ、ますます人気が高まっています。
※辛味や風味をいかして召し上がるため皮をむかずにすりおろしてご賞味下さい。